読書

沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史

佐野眞一先生の本をひさしぶりに読みました。 沖縄というと、基地、南国リゾート、地上戦などなど、決まり切ったフレーズで語られることが多いというが、そうした大文字の沖縄ではなく、人々の視点で捉え直した沖縄像がルポルタージュの形で書かれています。…

日本語の作法

外山滋比古先生の「日本語の作法」を読みました。 あいさつ、手紙の大切さがよく分かりました。礼儀というのは大切ですな。 口数が多く、ひとのうわさ話に興じていては、信頼が得られないというのもよく分かりました。 わからんことは黙っているに限ります。…

21世紀の歴史

ジャック・アタリの「21世紀の歴史」を読みました。 著者の論旨は次のとおり。 「いかなる時代であろうとも、人類は他のすべての価値観を差し置いて、個人の自由に最大限の価値を見いだしてきた」 ↓ 宗教、軍人の支配から抜け出て、政治的な自由を民主主義と…

エクサバイト

服部真澄先生のエクサバイトを読みました。 ストーリー展開的には面白いですが、科学的に無理して設定していたり、プライバシーとかいう点でそういう世界はまずないでしょう、とかいろいろつっこみどころ満載。そういう細かい設定とかに気づきながらも読み通…

2022年の影

赤井三尋さんの「2022年の影」を読みました。「翳りゆく夏」は傑作でしたが、これはう〜ん、面白くない。途中からパラパラととばして読みました。 コンピューターで意識を作って真の人工頭脳とかいうアイデアとかは面白いけど、開発の動機が娘を亡くしたから…

容疑者Xの献身

オール読物で連載中に2回くらい読みましたが、それほど面白いとは感じず。それだから「なんで直木賞?」とか思ってみてました。しかしなるほど、このラストは圧巻ですね。トリックも気づきませんでした。まさか…という感じ。しかし唐突ではなく、丁寧に読んで…

黒の狩人

大沢在昌先生の「黒の狩人」上・下を読みました。 シリーズものながら、前の作品を読んでいませんでしたが、特に人物像が分からないようなこともなく、すんなり入り込めました。 いったい誰が黒幕なのかは、なかなか分からず、そういう意味では面白かったか…

光の教会 安藤忠雄の現場

「光の教会 安藤忠雄の現場」を読みました。筆者は「磯崎新の都庁」の平松剛さんです。 光の教会―安藤忠雄の現場作者: 平松剛出版社/メーカー: 建築資料研究社発売日: 2000/12/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 42回この商品を含むブログ (43件) を見…

在日米軍司令部

日経新聞編集委員の春原剛さんの「在日米軍司令部」を読みました。在日米軍司令部作者: 春原剛出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/05/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る 恥ずかしながら知らなかったのですが、在日米軍司…

誘拐

五十嵐貴久さんの「誘拐」を読みました。 誘拐作者: 五十嵐貴久出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (27件) を見る なぜ普通のサラリーマンが首相の孫娘を誘拐し、半ば成功していたか、と…

磯崎新の都庁

評判のノンフィクション「磯崎新の都庁」を読みました。 磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ作者: 平松剛出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/06/10メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 85回この商品を含むブログ (78件) を見る 評判通りの快作。建…

東京島

桐野夏生先生の作品。なるほど、これはまた桐野先生らしい小説だと思います。メタボラほどのテンションは感じず。 東京島作者: 桐野夏生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/05メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 132回この商品を含むブログ (168件) を見…

森のなかの海

宮本輝先生の小説。初めの地震の書き出しから、こんな結末があるというのは、いい意味で裏切られた感じ。 森のなかの海(上) (光文社文庫)作者: 宮本輝出版社/メーカー: 光文社発売日: 2004/09/10メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (27件) を…

果断

TOKAGEは、面白くなかったですが、「果断」はよかった。基本的なパターンは同じだったように思いますが、竜崎で二作目を書けるというのはすごい。果断―隠蔽捜査〈2〉作者: 今野敏出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック:…

TOKAGE 特殊遊撃捜査隊

今野聡さんは、警察小説の名手ではありますが、刑事たちのことを描くのはどうかなーという気がします。さらっと読めちゃう。葛藤とかどろどろしたものはあんまり感じられない。読んだこれがよくなかったか。TOKAGE 特殊遊撃捜査隊作者: 今野敏出版社/メーカ…

仏果を得ず

三浦しをん先生の「仏果を得ず」を読みました。 文楽の解釈に頭を悩ませる主人公が、作中の人物との関わり合いで解釈を深めるというところはご都合主義みたいなところを感じました(実際の解釈とあたっているかが分からん)が、だいたいいい感じの作品。熱血…

ゴールデンスランバー

伊坂幸太郎のゴールデンスランバーを読みました。 伊坂幸太郎という作家は気になっていました。これまで何回も読もうと思って、そのたびに挫折してきました。今度こそと思って読んだ「ゴールデンスランバー」でしたが、もうあきらめました。 伊坂幸太郎って…

ニッポン泥棒

昔の大沢在昌の作品はおもしろかったけど、もうこれは引導だな、と思ったよ。「ニッポン泥棒」 そうかあまりにも出来がわるかったんで、もやもやしていたんだわ。ニッポン泥棒 上 (文春文庫)作者: 大沢在昌出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/03/07メデ…

日本語のゆくえ

吉本隆明先生の「日本語のゆくえ」を読みました。 帯の紹介文のとおり「神話の時代から現代へ……、日本語表現を考える。」という内容でした。「いまの若い人たちの詩は、『無』だ。」とあり、中身も興味深いものがありましたが、なぜ「無」の表現になるのか、…

新世界より

貴志祐介先生の「新世界より」を読みました。即買いです。 貴志先生といえば、「黒い家」です。「黒い家」の最後で殺人おばさんから追いかけられるシーンは、かなり背筋がおぞぞという感じ。「新世界より」は、この時の追いかけられる描写がけっこう思い起こ…

MM9

アイデアとか設定はおもしろい。MM9作者: 山本弘出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 64回この商品を含むブログ (91件) を見る

ゲノム敗北

岸宣仁さんの「ゲノム敗北」を読みました。 昨年末に、京都大学の山中伸弥教授が新しい万能細胞「iPS細胞」を作製することに成功しました。iPS細胞によって再生医療の可能性が大きく開けたということで、文部科学省も厚生労働省も経済産業省もけっこうな金額…

国家論 日本社会をどう強化するか

佐藤優さんの「国家論 日本社会をどう強化するか」を読みました。私は教養が足りないので、頭に入りませんでした。 結局のところ、著者のいいたいことはなんだったのか書き出してみます。 国家とは必要悪である 高度産業社会は、国家と社会はわかちがたく結…

中原の虹 四巻

張作霖が日本軍に列車を爆破されたことは歴史的な出来事として頭に入っています。だから最後は悲劇的な終わり方をするんだろうなあ、と半ばきめつめて読んでましたけど、最後まで死ななかったよ、張作霖。 だからというわけではないですが、最後まで焦点がぼ…

最近読んだ本

最近読んだ本をつけていなかったので、一挙に書きます。といっても少ない。 最後の陪審員上・下最後の陪審員〈上〉 (新潮文庫)作者: ジョングリシャム,John Grisham,白石朗出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/12メディア: 文庫 クリック: 17回この商品を含…

天使は容赦なく殺す

グレッグ・ルッカの新作「天使は容赦なく殺す」を読みました。 ボディーガードのアティカスのシリーズのほうが、キャラはたっていたと思います。アティカスも弱さを持っているキャラだったけど、まあそういう意味ではタラも同じ性格かしらん。 価格は2677円…

不動産は値下がりする

そりゃするよ、不動産。人口減、延べ床面積増。バランスから見ても、首都圏の不動産は一部の超一等地を除き、値上がりの見込みなし。理屈だと思う。 {不動産は値下がりする!―「見極める目」が求められる時代 (中公新書ラクレ)作者: 江副浩正出版社/メーカー:…

官邸崩壊

安倍前首相の辞任を受けて遅ればせながら、「官邸崩壊」を読みました。 読んで良かった。いいノンフィクション作品。 上杉隆さん的にいえば、世耕× 塩崎× 的場× 小池、根本評価せず、井上××× という感じですかね。井上っていうのは首相秘書官です。 ネタもと…

最期の喝采

これもまた、海外ミリテリーですが、読みました。検屍官以上に退屈。こんなものか、海外ミステリー。途中まで読んで斜め読み。やれやれ、という感じ 最期の喝采 (講談社文庫)作者: ロバート・ゴダード,加地美知子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/01/13…

検屍官

国内のミステリーにもあきたので、「検屍官」を読みました。 著者の経験に基づくリアリティはありました。その他はけっこう退屈。だらだらと読まされたという感じ。長いよ。検屍官 (講談社文庫)作者: パトリシア・コーンウェル,相原真理子出版社/メーカー: …