沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史
佐野眞一先生の本をひさしぶりに読みました。
沖縄というと、基地、南国リゾート、地上戦などなど、決まり切ったフレーズで語られることが多いというが、そうした大文字の沖縄ではなく、人々の視点で捉え直した沖縄像がルポルタージュの形で書かれています。
それほど系統だった読み物はありません。むしろ取材を進めながら、脱線もあったり、ここから先は真相不明みたいな形で章が終わったりします。それがルポというものなんでしょう。大文字の沖縄ではとらえきりなかった沖縄像はたしかに見えてきたような気がします。
本を結ぶ形で、佐野先生は沖縄の未来について、あまりいいイメージを持っていないような気がしました。米軍基地が今後縮小すれば、沖縄は自立することを迫られます。それが地域経済に及ぼす影響はかなり大であろうと。しかし、それほど大上段的に沖縄の未来をこうするべき、とも言っていません。なんとかなるさあ、ですかね。私もそんな感じがしますね。
佐野先生は、沖縄を書いた理由について満州とつながっているから、としてますが、本の中ではつながっているという記述が見られませんでした。
- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: 単行本
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