ゲノム敗北


岸宣仁さんの「ゲノム敗北」を読みました。


昨年末に、京都大学山中伸弥教授が新しい万能細胞「iPS細胞」を作製することに成功しました。iPS細胞によって再生医療の可能性が大きく開けたということで、文部科学省厚生労働省経済産業省もけっこうな金額の研究費を予算に計上しています。


はたして巨額の研究費はリターンを得られるかどうかは今後の研究次第ですが、今回の予算づけは、やはり国の研究費が本当に画期的な研究を生み出すのに使われていないという批判の裏返しのように思えるのです。「羮に懲りて膾を吹く」といいますが、それです。


今回は、予算はかなりの金額がついたように思えますが、「ゲノム敗北」の轍を踏まずにすむでしょうか。


1月15日のNHKクローズアップ現代で、山中教授がiPS細胞のオールジャパン体制の研究組織づくりを進めている話が放映されていました。すべての研究者が垣根なしで参加できるのはたしかに理想です。山中先生は、とても親切なお人柄の方でした。応援したいです。


しかし研究と組織づくりは別物のように思うんですが、どんなもんでしょう。それこそ組織づくりのノウハウにたけたプロデューサーが必要のようにも思いますね。宮崎駿鈴木敏夫プロデューサーみたいな。本田宗一郎と藤沢さんとか。


ゲノム敗北―知財立国日本が危ない!

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