在日米軍司令部
日経新聞編集委員の春原剛さんの「在日米軍司令部」を読みました。
- 作者: 春原剛
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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恥ずかしながら知らなかったのですが、在日米軍司令部というのは、日本有事の際に四軍の連絡調整の役目しかなく、平時には基地の管理業務(Base Management)が主たる仕事だという。
自衛隊にとってすら、在日米軍というのは、ある意味「張り子の虎」のような存在であり、交渉役としてはハワイの太平洋軍を向いているという。
筆者はその事実を明記したうえで、今後の在日米軍の役割の変化を事実に即して書いている。
すなわち在日米軍司令部のトップである司令官の役割
そうした意味から在日米軍司令部は戦闘集団としては、たしかに「張り子の虎」かもしれないが、必要不可欠な役割を果たしているのだといえる。
自衛隊と在日米軍は、急速にレーダー情報などの共有化を進めている。冷戦時は、日本の海上自衛隊はソ連軍の潜水艦を追尾する耳の役割を、航空自衛隊は領空を警戒する目の役割を担っていたが、北朝鮮の弾道ミサイルに対するMDシステムの実用化・実線配備が進むと、ほとんど戦闘システムは一体化せざろうえない。そういう意味からは、補完戦力どころか、米軍に吸収・統合されようとしているのが日本の自衛隊の実情といえる。
アメリカ離れとか、アメリカからの政治的独立とかスローガンとしていわれているが、現実には軍事的には日本とアメリカはすでに統合する方向にある。こうした現実からは、さてどういった日本の未来が見えてくるか。非常に興味深い。