誘拐


五十嵐貴久さんの「誘拐」を読みました。


誘拐

誘拐


なぜ普通のサラリーマンが首相の孫娘を誘拐し、半ば成功していたか、という話の構成力については、いい感じだと思います。ただ人物の書き込みが不足していて、ストーリーの割に人物が浮き出てこないというところはあると思う。


主人公に協力する女性の元同僚だとか、誘拐される孫娘、さらには犯人にたどり着こうとする特殊班の刑事とか、どろどろするものがなさそう。そういえば、誘拐を企てる犯人(主人公)も妙に、さばさばしているところが気になりました。


最後にどんでん返しがありましたが、なんか途中で気づいてしまい、その点もインパクトに欠けました。