夜をゆく飛行機


角田光代さんの「夜をゆく飛行機」を読みました。夜をゆく飛行機


最近は、女性作家ものしか読んでませんね。


読売新聞によると、最近、角田さんは、朝7時30分から夕方5時まで規則正しく机に向かって執筆をしているのだそうだ。すごいね。かきまくり。


ということで、まあ、量産体制にはいったともいえる時期の作品群の一つですね、これは。婦人公論連載です。週刊誌連載という感じは、確かにしますが、リズムもテンポもよく、場当たり的でもなく、ちゃんと全編をとおしてのしっかりした構成もあり、いい小説でした。


離れていく家族、変わってほしくはないが、変わらなくてはならないし、変わり続けるであろう、ある家族に対するなんともいいがたい愛惜の念というものが感じられる作品です。


小さな家族にも栄枯盛衰あるよね。にぎやかだった時期が過ぎて、いまは一人なんてこともあるし。ずっとみんながそろった家族のままでいたいけど、そうもできない一瞬をとらえておきたいと願った幸せな家族の物語です。自分の家族をもって、実家に母親一人を残している私には、その気持ちはけっこう分かったりするようになりました。


登場する家族の一人一人が魅力的です。小学五年生の娘も、数時間もかからずに読み切ったみたいです。まだいろんなことはわからないだろうけど、そのうち娘も分かってくれるかしらん、家族の話が。