国家の罠

外務省休職中の元主任分析官、佐藤優さんの著作です。
櫻井よしこさんが、採点で異例の0点をつけて
新潮ドキュメント賞を逃したことでも有名な一作です。


小泉政権が誕生して5年になります。
新聞各社は、5年おめでとう企画を掲載しましたが、
おめでたかったのかどうか。


佐藤さんは、「国家の罠」でこう書いています。

小泉政権の誕生により、日本国家は確実に変貌した。

それはなにかっていうと、次の三つとのこと。

  1. 外交潮流の変化
  2. ポピュリズムによるナショナリズムの昂揚
  3. 官僚支配の強化


1に関して、少し説明すると、
外務省内には、対米関係一本槍の「親米主義」、
中国を中心にアジア諸国との関係を重視する「アジア主義」、
ロシア、中国を含めた極東の国際関係のなかで
国益を追求する「地政学論」の3つの考え方が外交政策的に存在していたが、
いまは「親米主義」しか存在しなくなった、と佐藤さんは書いております。


なるほど、すべてにおいて、うなづける指摘です。


小泉内閣5周年の企画で、新聞各社は、対中、対韓の関係において、
「懸念」していましたけど、
次の政権はまた、「親米主義」をとり続ける可能性は高いのでしょうか。


いまのナショナリズム昂揚の重要なプレイヤーとなっている
日本会議。これの国会議員懇談会には、安倍、谷垣、麻生の三議員が
加わっています。
となると、どうなんでしょうか、この三議員は、外交政策においては
親米主義一本槍なんでしょうか。


よくわかりません。今後、ウォッチしていくと言うことで。