ビター・ブラッド
はっきりいって、期待はずれ。もうかなり悲惨。
発表媒体によって、作品の密度とか質に差が出てくるのは、ベテラン作家にもなれば仕方がないとは思います。東野圭吾先生とかけっこう差があるし。しかし、雫井先生は、「犯人に告ぐ」とか「クローズド・ノート」が評価されたかもしれませんが、まだまだ駆け出したばかり。一作一作が勝負のはず。それがこの小説では、もうだめかも。
ダメな点を箇条書き。
- ジャンルが読めない 父子デカのコメディか、犯罪謎解きものか。父子の絡みで売りたいならば、それを本線に物語を組み立てるべきなのに、そうでもなし。父は単なる脇役。にぎやかし以上ではない。
- 物語の推進剤がない 「謎」が物語の駆動装置になっていない。というかそもそもの「謎」かけの存在感がうすく、退屈。後付でどんどん追加される感じ。物語の構成もなっていない。
- 父子和解かよ これもまたとってつけたような和解劇。物語の本筋に絡ませた和解ならまだよかったのに。
「犯人に告ぐ」でもう終わったかな。
- 作者: 雫井脩介
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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【おすすめ度 五つが満点】★(楽園が★★というのは辛すぎたかも)