雑誌が売れない


総合情報誌のFACTAが8月のフリー記事で「主要50雑誌の部数激減秘データ」をアップしています。
http://facta.co.jp/article/200708012.html


あらためて見ると、ああこんなに落ちているのか、としみじみ。かくいう私もこのリストにはない雑誌の編集などをやっているものだから、落ちているのは肌で知っています。


とにかく10年前くらいは、刷り部数の7割程度は普通に売れていたのに、今年を見ていると2-3割しかさばけていません。過去に当たった特集記事をやっても、ほぼ完売していたテーマも最近はぼろぼろ。内容は変わらないのに売れないということは、読者の購買行動が完全に変わっているということでしょう。


経済誌は部数がそれほど落ちていないのは、仕事関係や投資情報獲得に必要だからだと思います。ちょっと時間つぶしにとか、楽しみで読む、という購買行動が雑誌ではほとんど期待できなくなったということです。週刊朝日サンデー毎日の落ち込みを見ていると本当にそう思います。サラリーマンが電車内で読んでいないもん。週刊現代週刊ポストも。


紙の雑誌というのは、インターネットの情報ポータルなんかに比べると、記事を探す操作性も悪いし、かさばるし、一覧性もない。ここ数年、部数減を立て直そうとじたばたしてきましたが、なんとなく手にとってもらう購買行動をもはや消費者には期待できないんですね。


この情報を探しているとか、こんなこと知りたいと思って検索するという行動が当然になってしまった読者を相手にしているんだから、文藝春秋とか週刊文春週刊新潮など一部のブランドを除いて、総合雑誌が売れないのはもはや当然。となるとするべきことは、情報を細切れにして読者に放出することです。結局、インターネットは無料モデルしか受け入れられそうにないので、ただで大放出。


収益はほかの事業ででまかなうか、広告か。それくらいしかおもいつきません。もしくはヤフーとかのポータルに提供して本サイトに誘導するか。いずれにしても広告目当てになりますね。


もしくは、ノウハウを教えるムック本とか薄っぺらな安い新書を大量にそろえておくとか。ピンポイントで情報をもとめる消費者の購買行動にあわせるとそういうことになります。


小説とかノンフィクションとは書籍も売り上げは落ちていくかもしれないけど、雑誌ほどではないはず。さてさてどうするか。