月島慕情
浅田次郎先生の短編集「月島慕情」を読みました。
浅田先生の短編集は、泣けると評判だった「鉄道員」で、泣けずに、敬遠気味でした。
その後、長編「日輪の遺産」とかを読み、長編ならばいけるかもと思いました。
名作「蒼穹の昴」はその後読み、しばらく読後感にひたったものです。
で「月島慕情」ですが、一つ一つの作品がすばらしいです。
表題作の「月島慕情」は、落籍された吉原の花魁の悲哀。
「雪鰻」は、先の大戦で地獄をみて生還した陸上自衛隊の師団長が鰻丼を食べられなくなった事情。
「インセクト」は田舎から上京した大学生の孤独感。
「めぐりあい」は何十年前の恋を思い続ける盲目の女性の幸せ。
「シューシャインボーイ」は、長年にわたる中小企業の社長の恩返しにかける熱情。
それぞれの短編は、もうこれぞ珠玉、と言う感じです。
なんかもう、ほかに作家が読めそうにないので、娘の「はじめての文学 浅田次郎」まで読んでしまいました。
ありがとうございます、浅田先生。またよろしくお願いいたします。
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