守護者


荻原浩先生の「四度目の氷河期」が直木賞候補になりながら、選ばれませんでした。なんと今回は「直木賞なし」という選考結果に。最後まで残ったのは「飛ぶタイヤ」と「失われた町」だったというから、ちょっと意外。しかし、私のなかでは「四度目の氷河期」が一番よかった。前の直木賞の「まほろ駅前多田便利軒」よりは確実に上だと思っていたから、よけいに残念。まあ、別に賞に選ばれなくてもいいんだけど、直木賞とるとより多くの人が受賞作読むし、その意味で、「四度目の氷河期」に共感してくれる人がいるといいと思いました。


ということで、私は、今年に入ってからは国内の小説は読まずに、海外ハードボイルドな日々を送っています。


年末のBSブックレビューで書評氏がいちおしだったのが、手に取るきっかけです。そのとき、紹介していたのは、四作目の「逸脱者」でしたが、律儀な私は、一作目の「守護者」から読み始めました。


アティカス・コディアックという元アメリカ陸軍軍曹で、現在ボディガードの一人語りがスタイルです。アティカスは、スーパーマンでもなんでもないけっこう普通のボディガードなので、なんと一作目から警護に失敗したりしてます。2作目では、ニューヨークのまちなかで銃撃戦とかやらかして、さらに評判をおとすはめに(警護自体はまあ成功かしらん)。三作目では、のっけから評判がわるいボディガードとして登場させられたりしますけど、警護対象から信頼を得て、結果的に裏の世界ではとっても危険とされている暗殺者から警護対象を守りきり、なんか上昇ムード。そして、番外編「耽溺者」をへて、「逸脱者」では世界をまたにかける活躍をみせるらしい。
守護者 (講談社文庫)奪回者 (講談社文庫)
暗殺者 (講談社文庫)耽溺者 (講談社文庫)逸脱者(上) (講談社文庫)


一作目は、作家のグレッグ・ルッカさん自身のデビュー作でもあったらしく、これって伏線と思わしいところがたんに思わせぶりな表現だったりして、流れが読めないところもあったりしましたが、2作目からは順調に流れるようになりました。いまはこのシリーズを読むことに全力を傾けています。