サウダージ

垣根涼介先生の「サウダージ」を読みました。


ヒートアイランド」から始まるアキ・シリーズです。サウダージ
もしかして、これが三作目ですかね。


池袋ウエストゲートパークもそうですが、シリーズ物は登場人物のキャラクター付けがもう分かってしまっているから、まあある意味、人物に深みがくわわって、読んでいても「ほおー」という時も出てきますが、けっこうだれてしまうこともままあります。アキは、そういう意味では、深化してないね。
むしろ、ガキの部分が和子さんとの対比で、強調されているような…


そういう意味で、高村薫先生の「合田雄一郎」三部作については、なんかちょっと合田がどんどん変わっていくのでいいですね。「新リア王」の後の作品にも合田が出るらしい。これはこれで楽しみ。


この作品は、どうらかというと、なんだろー、ラテン女のDDのたくましさが際だつ作品ですね。日系二世の耕一の国会突入については、まったく「布石」がなく、垣根先生にしては、なんかちょっと場当たり的なところを感じました。


これは、なんだ、移民復讐もので、「ワイルドソウル」の別バージョンか。垣根先生の作品も、だんだん新鮮な読後感は、なくなっています。