日本で電子新聞は普及するか

6月15日付けのフジサンケイ ビジネスアイによると、欧米の新聞が本格的に実験に入るとのことです。


読者にとっては便利ですが、電子ペーパー化は、新聞社にとって、かなりの死活問題になります。新聞社は多大なコストをかけて、販売店網を展開しています。電子ペーパーが普及すると、宅配が必要なくなるわけなので、販売店は下手をするとかなりの数が無くなってしまうでしょう。かつての牛乳店と同じように、販売店が街角から消えてしまうかもしれません。新聞社の販売部門は、大反対です。編集は中立。広告は力の源だった部数が激減するかもしれませんから、反対するでしょうね。印刷工場などの制作部門は大反対。


ということで、電子ペーパーは、新聞社にとって大変な影響を与える問題なので、技術が出来たからといっても、駅売りが中心の欧米誌とちがって、日本ではなかなか立ち上がりが遅くなるような気がします。電子ペーパー導入に前向きなのは、おそらく日経、毎日、産経…。ようするに販売部門が弱い新聞社ですね。


読売と朝日はあんまり気が進まない。しかし、朝日はそれなりにブランドがあるので、立ち上がりが早ければ、一気にシェアをとる可能性があります。読売は、それをにらんで動くという形になるのではないでしょうか。ソニーと松下みたいなもんです。


けっこう、期待しているんですけどね、電子ペーパー。もしかしたら、IT系企業が新聞社と組んで、先行して、進めるかも。いずれにしても、新聞社本体では、全社をあげて電子ペーパーにかけるという形にはなりませんね。片足くらいのせて、対応するというくらいの姿勢でしょう。いずれにしても、来年くらいには、電子ペーパーの行方も見えてくるかもしれません。