町長選挙 伊良部シリーズ
精神科医の伊良部一郎が活躍するシリーズの最新刊
町長選挙を読みました。
奥田英朗先生は、好きな作家ですが、
このシリーズは、まあおつきあい程度で。
けっこうパターン化しているし。
それでも、シリーズの過去2作に比べると、
伊良部先生の患者に、実在の有名人をモデルにした人物を
採用していることがすぐわかり、
これはこれで、成功だったような気がしますね。
直木賞をとった作品に成功もなにもないですけど。
最初に収録されている「オーナー」は、
読売新聞の渡辺恒雄主筆が
モデルであることはバレバレですけど、
ここまで似せていいのかなあ、と思うような設定です。
自宅が、皇居をのぞむ高級マンションである点。
奥さんを亡くして、生活している点。
などなど。
ここまで、設定を似せちゃったら、いいのかしらん。
まあ、最後は、いいヒトっぽく描かれているので、
これはこれで、いいんでしょうね。
とまあ、実在の有名人を患者にしたことで、
アナザーワールドというか、
現実に対して、風刺的な意味を持たせた作品にもなっていると思います。