身の上話


佐藤正午先生の「身の上話」を読みました。


構造から読み解くことが多いのですが、最後の最後まで、これがどんな種類の「告白」なのか分からなかった。意外とというか、やられたというか…


宝くじで2億円を当選させてしまったゆえに、ある女性の身の回りに起こる悲劇の数々…といえば簡単ですが、人物造形が斬新です。主人公のミチルは、こんな女いるかもと思わせながら、語り部の「夫」からみたミチルがけっこう面白い視点でみているなあ、と感心。


また一番、人畜無害のように思えたキャラが非常に極悪な人物だったりして、この部分も読めなかった。


佐藤正午先生は作家生活25年だそうですが、これまで私は一作品も読んだことが無く、これもまた意外な感じ。


傑作かも。

身の上話

身の上話