セカンドライフ 電通と博報堂の戦略


7月10日、時事通信主催の「爆発するソーシャルメディア」というタイトルのセミナーに行きました。


セカンドライフについて、電通博報堂の担当者が話すというので、出かけたのです。


演者は、電通がメディア・コンテンツ計画局 企画調査部の粟飯原健さん博報堂側が、博報堂DYメディアパートナーズの相川雅紀さん。


セカンドライフの日本の登録者が10万人。しかし、定期的にログインしているユーザーは、200-300人ではないか、と。そういっていたのは、先に基調講演を行ったITジャーナリストの佐々木俊尚さん。佐々木さんは、インターネットで仕事をしている人に聞いてもセカンドライフをやっている人がいないんだーという話をしていました。正直な感想で、これはこれで興味深いです。


佐々木さんはこうも話しておりました。それなのになぜ大企業がセカンドライフに参入との記事が毎日、日経新聞に載っているのか。あれは、社内プレゼンで3D映像が見栄えがよく、上層部に受け入れられて稟議書が通りやすいといわれているから、とのこと。


それはともかく、電通の粟飯原さんの話。


これもまた日経に出ていた話でしたが、8月グランドオープンの予定で「バーチャル東京」を開発するとのこと。バーチャル東京はSIM25個分。リアルで例えると東京ドーム40個分の広さ。ゲームデザイナーの水口哲也さんが総合プロデュース。いってみれば基盤整備をした街に、大企業がショールーム的要素をもった建物を建設するという次第。


いってみれば、電通が仮想世界でデベロッパーをやるということですね。三井不動産豊洲や芝浦を開発したような感じ。それとも東京ディズニーランドか。


一方の博報堂DYメディアパートナーズの相川さんの話。こちらは「ユーザーとともに」というのがコンセプト。スパイスボックスと共同で、Japan Islandsを開設。ユーザーに無料で土地を提供して住んでもらう。住民や訪問者が増えたところで、企業に出店してもらうという戦略。電通のようにドーンとコンテンツをつくってユーザーを誘導する方式ではなく、参加するユーザーを大事にしたいという考え方といっていいんでしょうか。


まず少し見てみたいというユーザー向けにコンテンツを準備する電通
セカンドライフ以外のほかの仮想空間が融合することまで長期的な観点からビジネスを組み立てようとしている博報堂


セカンドライフにログインしたはいいけど、よくわからんライトユーザーの私としては、電通のバーチャル東京は見ていたい気がします。ただ、戦略的には博報堂のほうが正しいような気も。広告代理店としてもうけようとしたら、電通の戦略がただしいんですけどね。博報堂はどうでしょう、初期投資のお金が投入できなかったのか、どうなのか。


電通の粟飯原さんは、ウインドウズビスタ搭載のパソコンが普及するにしたがって、セカンドライフの国内登録者も1年以内に1000万人と話していましたが、これはどうか。見方は分かれるところ。セカンドライフは、mixiなみに手軽に始められるわけじゃない。インターネットやEコマースの普及前と状況が似ているという話もかなり出ていましたが、セカンドライフのハードルはけっこう高いと思うんですが、どうでしょうか。