塩崎官房長官の問題発言

連日報道されている社会保険庁の無法ぶり。


帳簿始末したり、納めにきた年金のお金追う利用したり、端末扱う文字数を制限したり、とまあここまでひどい組織は歴史上めずらしいでしょう。


しかし過去の怠慢ぶりを理由に、いま働いている職員が、夏のボーナスの一部を返さなきゃならないっていうのは、法律的におかしいんじゃないの。


たしかに、職員が過去の怠慢な仕事の責任をいまとらされていると考えれば理屈にはあうけど、最近入ったばかりの一般職員までがお金を返さなくてはならないというのは、法律的に許されるんでしょうか。


あくまで「自主的」な返納だから、従わなくても処分はないんだろう。だから法律問題にはならないというのがまた一つの理屈だと思ってながめていたら、元日銀職員の塩崎官房長官がいってしまいましたね。


09年に出来る予定の「年金機構」の再雇用の判断材料にするって。

読売新聞朝刊6月27日朝刊から
賞与返納、再雇用の判断材料
官房長官見解 社保庁職員「けじめを」
 塩崎官房長官は26日午後の記者会見で、年金記録漏れ問題で6月の賞与(ボーナス、期末・勤勉手当)の一部返納を求められている社会保険庁職員について、返納に応じるかどうかが日本年金機構への再雇用の判断材料になるとする見方を示した。


これは「自主的」とは名ばかりで、事実上の強制ですよね。


本来ならば国家公務員法とか、人事院の規則に基づいて行うべき賃金の減額を法律的な裏付けもないままで行うというでたらめなやり方です。


返納は、参議院選前に選挙民に対して恭順の意志を示すパフォーマンスなんだろうけど、ならば政治家だけで「返納パフォーマンス」をやっていりゃいいじゃない。ちまちま返しているんじゃなくて、もっとドカーンとさ。


こんな無法に対して、今回有名になってしまった全国社会保険職員労働組合は、闘うどころか、職員は「積極的に応じるべきだ」とコメント。ただし「様々な事情により自主返納に応じられない職員に逸再の不利益を及ぼすことがないことを前提に」とする条件付き。


官房長官がいっているのは、その「不利益な条件」なんだから、甘いこといってないで、闘えよ、といいたいです。


しかし官房長官がいっている「けじめ」というのは、いかにも日本的だなあ、と。アメリカかぶれしてなかったか、官房長官。ちゃんと法律にもとづいてやったほうが法治国家らしくていいんだけど。それだと参院選に間に合わないしね。もう今回のことでほとほと安倍晋三、その他取り巻きにはあきれました。


ちなみに私は、社会保険庁には一切関係ありません。