パプリカをみました


「パプリカ」をみました。豪華絢爛な夢に浸ったって感じ。いい作品でした。


パプリカ (新潮文庫)


筒井康隆先生の原作は、読んでおいたほうがいいです。私は原作の小説と映画は、それぞれ独立した別物の作品だから制作側は読んでいない観客にも分かるように、楽しめるように配慮すべき、だと思ってますが、今回は、筒井先生の原作なしには、けっこうきついような気がします。というか、読んでおいた方がより楽しめますよ、という感じ。原作をかなり丁寧にコンパクトに要所要所をとらえて、うまくアレンジしているし、私が感じた限りでは、原作世界のイメージに近いと思いました。


少し原作と対比して、あらすじを紹介しましょう。原作とキャラ・肩書きが違うのは、警察の粉川さんと、精神医学研究所の乾さん。警視監の粉川さんは警部に“降格”。乾さんは副理事長から、理事長に昇格です。


ストーリーは、夢にジャックインできる強力な精神治療機器「DCミニ」を巡るパプリカ(千葉敦子)チームと、乾チームの対決です。原作でいうと、第二部のところ。映画では、サイコセラピーのマシンを使った精神治療はまだ社会的に認められていない、という設定。千葉と時田のノーベル賞受賞もなし。粉川のトラウマは、原作のもう一人の患者だった能勢のものに置き換えられていました。


見所は、夢のはちゃめちゃぶりをアニメ映像化したという点でしょうか。小説では成功していましたが、アニメも、絢爛豪華に夢の映像が描き切れていました。


しかし原作読んでいない外国人には、ちょっときつかったかも。筋道をかなり省略して物語が進んでしまうから。


もうひとつ残念だったのは、千葉敦子のほうがちょっとつまんない堅物の女性に描かれていた点です。千葉敦子とパプリカのギャップにこだわったんでしょうけど、もう少し色っぽい感じが原作にはあったように思うんですけど。声をやっていた林原めぐみさんは、千葉敦子、パプリカ両方の役柄でも、いい声してるなあ、と思いましたけど。


今年のアニメ映画は、あんまり観てないけど、時をかける少女、パプリカ、大きく離れてゲド戦記の順番です。