松井秀喜選手のけが


5月11日の試合で、ヤンキース松井秀喜選手がけがをした。


ジャイアンツファンなので、日本にいる時は、もちろん応援していた。
ちょっとだけ、松井が二軍にいた時(ルーキー時代)
グラウンドで間近でみたこともある。
私の目の高さくらいに、でかいケツがあった。
我が家には、その時もらった二軍時代の松井がしてくれたサインボールが
家宝として、大事にしまってある。


2000年に福岡ダイエーホークスを破り、日本一になった日本シリーズ
松井は、優勝を決めた第六戦で、シリーズ3本目の本塁打を放った。
力強く、美しいホームランだった。
我が家は、バックネット裏で観戦していた。
何度も、まついーまついーと叫び、
小さな娘に止められた。
松井は、ジャイアンツファンの誇りであった。


フリーエージェントヤンキースにいくことが決まったとき、
松井は、アメリカにいく理由の小さなひとつとして、
東京ドームが人工芝であることを挙げていたと記憶している。


人工芝は、足腰に負担がかかり、けがが多くなるという。
実際、松井はジャイアンツ時代から、ひざを痛めていた。
連続試合出場にプライドを持ち、一年でも長く野球を続けたいと思って
松井は、海を渡るんだな、と思った。


寂しかったが、仕方がない。
東京ドーム、ジャイアンツは、
天然芝に改修できないか、という松井の要望を受け入れられなかったんだから。


今回の左腕の骨折は、長い天然芝にグラブをとられてしまったのが、
原因の一つだという。ヤンキースタジアムの芝は、長くて深いのだろう。


天然芝のスタジアムでこそ、可能な全力プレーも、
骨折を招く一つの要因になったと思う。


だからといって、人工芝がいいとか、そういうことではない。
ただ、残念だ。皮肉だと思う。


松井は、今年も春から、調子が悪かった。
ワールドベースボールクラシックの欠場でちょっとした逆風にあたった。
バッティングは、夏にむけて、これから上向きというところだった。


今シーズンは、三年の大型契約を結んだ最初のシーズンだった。
昨年までのお客さん、助っ人みたいな立場から
名実ともにヤンキースの主力選手になるシーズンのはずだった。
だからワールドベースボールクラシックを欠場してまで、
調整してのぞんだシーズンだった。


プロの世界には、いいわけは通用しない。
いまは同情的なビートライターもシーズンオフには
たたき放題たたいてくるだろう。
ヤンキースは今シーズンもワールドチャンピオンには厳しそうだから、
戦犯扱いされてしまうかもしれない。


メジャーの世界は、厳しい。次に松井がグラウンドに戻ってくるとき、
レフトのポジションがあいている保証はない。


松井の美しいホームランを見たいと思う。
日本シリーズのホームランは、美しかった。
別に今シーズン中に焦って、戻ってこなくてもいい。
来シーズンからでもいい。
パワーアップした新しい松井を見せてほしいと思う。
切に願っている。