中国脅威論


週刊新潮に、櫻井よしこ先生が中国脅威論の原稿をお書きになっている。


要旨は、次のとおり。


中国の海軍力、空軍力は、質・量ともにレベルアップしている。
北京五輪、上海万博後の2020年までに、中国は台湾に侵攻するだろう。
台湾を押さえられると、日本の海上輸送は、非常に脅かされることになる。
日本はいましなればならないのは、
(以下引用)
>>日本の国益と独立を守りきれるのは日本国でしかないと自覚して
>>対中安全保障で毅然と対処しようとする米国と協調し、
>>中国に、日本の真の独立心を見せなければならない。


なるほど。しかし、アメリカは中国の封じ込めは続けていますけど、
いつまで封じ込めし続けられるか、アメリカの国内情勢次第。
将来も、封じ込めを続けるかどうかは、わからないよね。
そもそも中国とアメリカは、お互い戦争する気はないでしょう。
将来、台湾問題で、米中が手を結んだら、
そのときの日本の立場は、どうなんでしょうか。


二階から三階にあがって、わーわー騒いで、
太鼓たたいて、進軍ラッパを鳴らしていたのに、
すーと引き上げていくヤンキーたち。
ヤンキーゴーホーム。


ぞっとしますな。
ヤンキーは日本のいうことなんかこれっぽっちも聞いてくれないでしょう。
だってアメリカ大統領は、アメリカ国民と、
自分たちの米議会対策しか考えてないもん。


ここはもう、いまのうちに、中国に頭下げておいた方がいいんじゃないの。
戦後つぎこんできた円借款とかODAとか、パーだよ。
せっかくご機嫌とってたのに。バカみたい。
政治家も自分たちのバックマージンには関心が高いんだろうけど、
投資効果が小泉政権になってパー、おじゃんになっていることは
あんまりいわないね。というより、私が寡聞にして知らないだけか。


とか、いうと、すぐに国賊だとか、土下座だとか、いうんだよね。
でも営業マンだって契約とるのに、頭下げるでしょ。
クラスでいがみ合っていたら、仲良くしろ、って先生いうでしょ。
ひとのいやがることはしちゃいけない、とか親もいうじゃない。


国家としてのプライドはないのか、とか、
営業と外交は、違う、とか
これまた新潮とか文春は書くでしょうが、
そもそも、新潮とか文春とかの読者は、あと10-20年すれば、
リタイヤして、ぼーとして、
へたをすると、お亡くなりになっているような人たちばかり。
10-20年後に、まじで、強大化した中国と対処しなくてはならなくなった
いまの若者たちの立場はどうするのよ。
そいつらに、責任とって、と文句いっても、
いま威勢のいいこといったり、書いたりしている連中は
たぶんその時には、死んでるし。
もうつくづく無責任だなーと思います。


たぶんあれでしょうね、「日本の真の独立心」とやらは、
もう中国とか韓国を敵視することでしか、自覚できないんでしょうね。


本音のところ、学校で愛国心を教えるっていったって、
「国を愛しましょう」っていわれたって、
こどもたちは、はあーって感じだろうし。
まじで、学校の先生たちは、尖閣が脅かされてる、とか
竹島が占拠されとる、とかいって
反中、反韓教育できたら、愛国教育は楽だなーと思っているはず。


それとも「日本は四季がある美しい国です、富士山も美しい山です」
とかいって、「美しい日本をまもりましょう」とかいうんかね。
気が抜けた愛国教育だね。


そもそも、愛国心なんて、敵がいるから、必要なんじゃない。
明治時代は、海の向こうは、敵ばっかりだったから、
すんなり愛国教育できたんだし。
中国、韓国の愛国心だって、抗日戦争、植民地時代の歴史教育から
出来てきてるんじゃないの。


国を愛せといわれても、
自衛隊は、すっかり、米軍の極東部門になっちゃってるしね。
単独で軍事作戦できるかなあ、日本の自衛隊
海上自衛隊は、冷戦時代にやっていたのは、ソ連の潜水艦狩りだよ。
米軍からは、目と耳やってろ、っていわれてたのよ、たぶん。
いざというときは、俺たちがミサイルぶちこむからって。


自衛隊にも、たしかに対艦ミサイルとか、対ミサイルとかあるけど、
射程は短いしね。イージス艦に期待しているかもしれないけど、
攻撃力はそれほどじゃないし。
空自にしても、F15は戦闘機同士の戦いでは、たしかに、つよいけど、
対地ミサイルは積んでないでしょ。無理だなー愛国心をかけるには。


そもそも、中国の脅威ってなにか。
尖閣とられることか。シーレーンを脅かすことか。
ミサイルもってて、東京にもぶち込めることか。
少なくても、日本本土の侵攻は、ないんじゃないの。
だったら、正確な脅威の見積もりをしてから、話をしてほしいと思う。


脅威なりに、対処法も変わってくるんだから。
そうすれば、「米国と強調して、真の独立心を見せろ」なんて
話にはならないんじゃないかと思うんですけど。