エヴァンゲリヲン破

見終わった後に自然発生的に客席から拍手が起こりました。こんなの初めて、と思いながら、それにふさわしい作品だと思いました。すげーな、やっぱりエヴァは…というのが正直な感想。


なにがすごかったか。

  • 物語性が強くなっている

テレビシリーズのスジを原則的にのっとっていながら、母親を間にした父と息子の葛藤という骨格が強くなって再構成されている。「男の戦い」はテレビシリーズでもすごい好きな作品でしたが、今回の映画ではさらに強く再構成した感じ。見事だわ〜。シンジとゲンゾウの間を取り持つ綾波という展開は意外だったけど、テーマが際だったと思う。

  • 動画が見事だった

エヴァの動きがすごかった。動画マン・ウーマンの仕事に敬意を表します。

  • 遊びがふんだんに盛り込まれていた

新キャラのマリは今回は単なるヤラレキャラだったけど、話題性は十分。協賛企業・賞品のロゴもいろいろ劇中入っていたが、まあこんなもんかな、という感じ。


エヴァに似た作品は1997年以降いろいろ出たけど、エヴァを超える作品は結果的になかった。エウレカも今回の映画をみるにつけ、スタッフの差は歴然。テレビシリーズを映画にするには、やはりストーリーは骨格は残しつつも、すべての点で超えなくてはいけない。京極監督もいろいろ考えるところがあるのでは。


今回は本当にキネマ旬報作品賞に相当するような作品だと思う。当分エヴァを超える作品はなさそう。


テレビシリーズは自爆しておわり、映画は訳が分からなくなる迷走を見せた。それなりに作品にまとまっていたけど。そして今回の映画4部作はこれまで見る限り、今後30年というかアニメとしては前人未踏の到達点に達したと思う。海外では評価されないかもしれませんが、宮崎作品とちがって。ポニョは見てないけど、宮崎駿の老いを感じた。ジブリはそろそろいいんじゃないかな、解散しても。



ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [DVD]

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