ハウルの動く城
「ハウルの動く城」を観た。映画評論家の採点は、辛い、かなり。
しかし、私が観た感じでは、「なんかいいなあ」という仕上がりである。けっこう余韻にひたれる。
イメージ先行の映画である。物語は、ジブリは「ラブストーリー」だとか、「戦争」とかいろいろいっているようだが
そんなものはけっこう後につけた理由にすぎない。宣伝のために、完成前につけられたコピーである。
一言でいえば、宮崎監督のイメージ集。それはとても美しい。そういうイメージを楽しみにいく映画である。
メッセージ性とか、物語の一貫性とかはあんまり気にしないほうがいい。
映像の美しさを楽しみにいく作品だ。
そういう意味で、カンヌ映画祭で金熊賞ではなく、技術貢献賞をとったのは妥当なところだと思う。
週刊文春も、週刊新潮もけっこう、けちょん、けちょんという感じでけなしていたが、
いまさら宮崎監督に「ラピュタ」や「ナウシカ」のような物語としての完成度を求めるのも古いような気がする。
千と千尋のようなメッセージ性もうるさい。
ハウルの動く城は、楽しい映画だ。
ソフィーがかけられた「呪い」を戦争にむすびつけて、「期待外れ」といっていた評論家もいたが、
もともと宮崎監督というのは、エンターテイナーである。
「もののけ姫」とか「千と千尋」で少し評価が上がりすぎていた部分があった。
という意味で、宮崎監督の位置づけを本来あるべきところに戻すという意味もある作品となっている。
そんな感じで、気楽な感じで劇場に多くの人にいってほしい、と思う。これが本来の宮崎アニメだ、と思う。